ロシア旅行(53)

※ロシア旅行(53)<六日目>-2004.10.1-

マジョリカの間の中央に、『ドルフィン上の少年』(大理
石彫像)が展示してある。作者はロレンツェット(1490
~1541年・イタリア)で、少年の寝顔が何ともいえず、
素敵である。

続いて、「ミケランジェロの間」に入って行く。 流石に、
素晴らしい部屋で、壁面は数多くの絵画が飾られて
いる。 中央に『うずくまる少年』の大理石彫像が置い
てある。

ミケランジェロ(1475~1564年)

 イタリアルネッサンス期の彫刻家、画家、建築家、
 詩人。 西洋で最も巨大な絵画の一つと言われる、
 ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井フレスコ画
 『最後の審判』が有名であるが、もともとは彫刻家
 である。

 『うずくまる少年』(1530年代)

  ミケランジェロの名作の殆ど全てがイタリアにある。
  この作品は、エルミタージュにある唯一のミケラン
  ジェロの彫像である。

  ざらざらした大理石の表面で、光線は突然輝きだ
  したり、光彩を失ったり、まるで若者のうずくまった
  身体を貫いている緊張感を強調しているようだ。
  彼の構想の根底には、調和と美を無くした世界に
  対しての悲観的な考えが潜んでいる。

ミケランジェロの間の隣は、「小イタリア天窓の間」で
ある。 天窓が、何とも素晴らしい。 この部屋は、ニ
コライ1世の命により建てられた新エルミタージュの
中にある。 

ここには、イタリアやスペインの絵画が数多く展示さ
れている。 先ず、カラヴァッジオの絵が目に付く。

カラヴァッジオ(1573~1610年)

 バロック期のイタリアの画家。 『聖母の死』など、
 数多くの宗教画を描いた。 その特徴は、明暗の
 差の激しいドラマチックな作風であった。 また、
 当時のフィレンツェの人々をモデルにするなど、
 徹底したリアリズム表現で、一般大衆にも分かり
 やすいものであった。

 バロック様式の前兆の一つとなった17世紀美術
 の写実主義的な動向の創始者で、彼の絵画が
 同時代の画家達に与えた影響は計り知れない。

 彼は激情的な性格の持ち主で、些細なことから
 知人を刺し殺し、ローマを追われる身となった。
 そして、2度とローマの地を踏むことなく、悲劇的
 な生涯の幕を閉じた。

 『リュートを弾く若者』(1595年頃)

  ミラノ近郊に生まれたカラヴァッジオは、1593
  年頃ローマに赴いた。 この作品は、彼の才能
  をいち早く見抜いたパトロンの一人の求めで描
  いた。 

  机に広げられた楽譜から、「君は知る、君への
  僕の愛を」を歌っていることが分かるそうだ。永
  遠の生命の音楽を奏でるイエス・キリストを表そ
  うとしたなど、種々の解釈が試みられている。

この絵の近くに、カナレット(1697~1768年)の
筆による、『ヴェネツィアにおけるフランス大使のレ
セプション』(1740年代)が展示されている。 ヴェ
ネツィアの当時の風景画家達は、建築物のある風
景画を、細部にまで気を配りながら、殆ど写真に匹
敵する正確さで表した。

『ドルフィン上の少年』・ロレンツェット

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ミケランジェロの間

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『うずくまる少年』・ミケランジェロ

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追加画像は下記をクリックして下さい

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